「不通」の朴氏転落 心の傷付け込まれ 朴大統領罷免(西日本新聞)

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 韓国の憲法裁判所が10日、裁判官全員一致で朴槿恵(パククネ)大統領の罷免を決めた。昨年10月末に親友の崔順実(チェスンシル)被告の国政介入事件が発覚して4カ月半。会見や書面で潔白を訴え続けた朴氏を、憲法裁は「国民の信任を裏切った」と断じた。韓国初の女性かつ、親子2代の大統領として輝いた時期もあったが、最後は民主化以降初めて5年の任期をまっとうできない「不名誉な大統領」に転落した。

離れられない関係

 「何も話すことはない」。罷免決定を官邸で聞いた朴氏はこう語り、沈黙を守った。朴氏は「運命の日」も「(意思疎通が苦手な)不通(プルトン)」だった。

 「父に最も近い人たちでさえ、冷たく心変わりしていく現実は衝撃だった」。自叙伝で朴氏は、1979年に父の朴正熙(パクチョンヒ)大統領(当時)が側近に射殺された時をこう振り返った。その5年前には母も、父を狙った凶弾で死去。残された朴氏と妹、弟の3人は側近らの「嘘、誇張、裏切り」に振り回され、「歴史の裏道に消えていくようだった」。

 「大統領には大きな心の傷がある」。崔被告は昨年11月、検察の取り調べに供述した。韓国メディアによると、両親を失った孤独な朴氏の心の隙に付け入るように宗教家だった崔被告の父が近づき、父が死去した後は崔被告が傍らにいた。「私が困難な時に助けてくれた」。朴氏は昨年10月、疑惑が表面化した際、崔被告が精神的な支えだったと明かした。崔被告は、朴氏との関係をただす検察官に淡々と答えた。「私たちは簡単には離れられなかった」

経済状況目標遠く

 官邸に妹や弟も近づけない「クリーンさ」が売りだった朴氏。国民は歴代大統領が繰り返した不正・腐敗と無縁なイメージに期待を寄せた。「岩盤」と呼ばれた40%の支持を支えた高齢者は、「漢江の奇跡」と呼ばれる急激な経済成長を成し遂げた父の影も重ねた。

 「4・7・4」-。大統領就任から1年後の2014年2月、朴氏は満を持して「経済革新3カ年計画」を発表した。年率3%前後にとどまっていた国内総生産(GDP)を4%増に引き上げ、雇用率は70%、2万8千ドル程度だった国民1人当たり所得を一気に4万ドルにする。キーワードは財閥と中小企業の格差を解消する「経済の民主化」だ。

 3年が過ぎ、現状は目標にほど遠い。若者(15~29歳)の失業率は10%前後と高止まり。国を悲観する「ヘル(地獄)朝鮮」という言葉も生まれた。74歳のソウルの元企業トップは「朴氏の政策は根拠のない数字遊びだった」と突き放す。

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