(朝鮮日報日本語版) 【社説】セウォル号沈没事故3年、韓国社会の何が変わったのか(朝鮮日報日本語版)

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 23日、旅客船セウォル号が海面上に姿を現した。295人が死亡、9人が行方不明となった2014年4月16日の惨事から、1073日ぶりのことだ。セウォル号は今後、半潜水式の船に載せられ、木浦新港に運ばれることになる。遺体であっても見つけたいという行方不明者家族の心痛と気苦労に、心を寄せない人はいないだろう。まずは、船を安全に陸まで運ぶことが課題だ。ここで万全を期し、次いで未揚収者の遺体と犠牲者の遺品の収集に最善を尽くさなければならない。それが、セウォル号犠牲者の遺族の抱える胸の痛みを、少しでも癒やすことにつながる。セウォル号の船体の処理については、保全展示、解体など幾つかの提案がある。遺族の意見を尊重しつつ、賢明な決定を行わなければならない。

 問題は、セウォル号の惨事の後、韓国社会の安全システムが改まったとは言えないという点だ。韓国政府は「国家改造」まで宣言して国民安全処を新設したが、何の関わりもない海洋警察を解体しただけで、何が変わったのかという重苦しい思いしかない。これまでおよそ3年の間にも、地下鉄同士の衝突、換気口の崩落、高齢者施設の火災、バスの転覆などの事故が起きた。少し前には京畿道東灘の住宅・商業施設複合ビルで火災が発生し、52人の死傷者が出たが、これは商業施設の管理者が、オープンから6年間も火災報知機を切ったままにしていたからだということが確認された。たとえ閣僚級の安全担当部門をつくったところで、意味はない。市民は相変わらず「まさか」という安全不感症にかかったままで、公務員は点検するふりしかしない。セウォル号の惨事も、船会社の安全不感症と、当局の安逸で起こった。

 過去3年間、セウォル号は絶えず政争の対象になってきた。セウォル号がなぜ沈んだのか、なぜ救助がなされなかったのかは、既に細かく明らかにされている。その明白な事実から目を背けたい人々がいるだけだ。事実と癒やし、再発防止は後方へ押しやられ、鉄拳ばかりが飛び交った。セウォル号の問題を調査すべくつくられた特別調査委員会が1年半の間、一体どんな仕事をしたのか、ほとんど記憶にない。実際、すべき仕事があるはずもなかった。惨事と何も関係ない「大統領の7時間」を明らかにしようとして、もめごとばかりが大きくなった。

 にもかかわらず、韓国大統領選の有力なランナーがきのう「次期政権は第2特別調査委を立ち上げ、セウォル号の真実を細かく究明する」と主張した。その人物は朴・前大統領の弾劾当日に彭木港を訪れ、セウォル号の惨事で犠牲になった高校生に向けて「すみません、ありがとう」としたためた。あきれ果てる、衝撃的な行為だ。セウォル号政争の極端さを示しているかのようだ。

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