(朝鮮日報日本語版) Xデーに戦闘機飛来、「戦争か」ソウル市民騒然(朝鮮日報日本語版)

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「あれは北朝鮮の戦闘機ではないのか? 本当に戦争が起きたんじゃないか」

 ソウル・蚕室に住む大学生のキム・ミンギョンさん(25)は25日午前10時30分ごろ、耳をつんざくようなごう音に驚いた。ベランダに出てみると、戦闘機9機が真っ黒い煙と共に蚕室総合運動場の上空を飛行していた。驚いたキムさんがスマートフォンを開くと、ポータルサイトのリアルタイム検索ワードに「北朝鮮」が浮上しており、「北朝鮮の朝鮮人民軍創建記念日(4月25日)を迎え、韓半島(朝鮮半島)の緊張が高まっている」というニュースも出ていた。キムさんは「何か大変なことになっていると思い、マンションの1階まで駆け降りたところ、ほかの住民たちも一斉に集まってきて騒然となった」と話した。

 この日午前、ソウル市内の江南区・松坡区周辺の警察署や区庁、国防部(省に相当)などには「あの戦闘機は何なのか」という問い合わせの電話が数百件殺到した。ごう音の正体が分からない市民たちは、ツイッターやフェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に「北朝鮮が武力挑発を仕掛けてきたようだ」「核戦争が起きたのではないか」などの書き込みが相次いだ。

 市民たちを恐怖に陥れた戦闘機の正体は、韓国空軍特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」の国産超音速訓練機(T-50B)だったことが分かった。今月29日に蚕室運動場で行われるソウル国際ホイールチェアマラソン大会の記念エアショーに向けて予行演習をしていたのだ。ブラックイーグルスは今月21日、空軍のウェブサイトやフェイスブックなどで「25日午前10時30分と午後3時の2回、ソウル・蚕室周辺で飛行訓練を実施する」と告知していた。しかし広報が不十分だったため、飛行訓練があることを知っていた市民がほとんどおらず、大騒動になったというわけだ。

 空軍の飛行訓練の日程が不適切だったとの批判も出ている。25日は北朝鮮の朝鮮人民軍創建85周年記念日で、北朝鮮は同日、江原道元山で過去最大規模の火力訓練を実施したことが伝えられた。米国は北朝鮮の挑発に対する警告の目的で、最大規模の原子力潜水艦「ミシガン」を釜山に入港させた。よりによって韓半島に戦争の危機が迫っている状況で、あえて「Xデー」にエアショーのリハーサルをする必要があったのかというわけだ。江南区の高層ビル内のオフィスに努めるチョン・ジヨンさん(31)=女性=は「戦闘機を目にした社員たちは『9.11テロ(2001年の米同時多発テロ)』のような事態になるのではないか」と言って不安がった。国防部に電話で問い合わせたところ空軍の訓練であることが分かり、ようやく仕事に戻れた」と話した。

 周辺の学校も一時騒然となった。蚕室運動場から約300メートル離れた貞信女子高校の教諭は「総合運動場の方からごう音が聞こえたため非常事態が発生したものと思い、授業を一時中断した」と話した。中間テストを実施中だった別の高校の生徒たちは「ごう音のせいでテストに集中できなかった」と抗議した。

 市民たちは、事前にきちんと告知しなかった区庁やブラックイーグルスへの不満をぶちまけている。松坡区庁は初めから告知をしておらず、飛行訓練が全て終わった午後2時ごろに区庁のブログに「エアショーのリハーサル期間です」と書き込んだ。ソウル国際ホイールチェアマラソン大会の組織委員会は「国内外の安全保障状況が緊張状態にあり、一部市民が不安を感じているようだ。今後はより積極的な方法で広報し、同様の混乱が起きないようにしたい」と説明した。波紋が拡大したため、組織委は25日午後3時に予定していた予行演習を中止した。

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