シリア支援、政府は給電先「特定せず」 軍事流用懸念 菅氏ら説明避ける(西日本新聞)

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 政府が整備資金を提供しているシリアの火力発電所が、アサド政権軍による化学兵器攻撃の拠点とされる空軍基地に電力を供給していた可能性がある問題で、菅義偉官房長官と岸田文雄外相は25日、記者会見で「電力供給先を特定していないことを確認している」と述べ、正面からの回答を避けた。シリアの実情に詳しいジャーナリストは、水などの緊急人道支援と、軍事施設への流用につながるインフラ整備支援を明確に区別する必要性を指摘した。

 菅、岸田両氏は、アサド政権支配地域のジャンダール火力発電所の整備費支援について「厳しい生活環境に置かれているシリアの人々の生活に必要な電力を供給する緊急人道的性格を有するもの」と強調。だが、軍事利用を避けるため、同発電所が空軍基地に電力を供給しているかを確認したかと記者が尋ねたが、答えをはぐらかした。

 西日本新聞は2015年12月にシリアでの政府の資金提供を報道し、電力が軍事利用される懸念を指摘。その後、岸田氏は記者会見で「この支援がどのように使われたか、わが国としては確認していくことは大事だ」と明言していた。人道支援が軍事に流用されれば、支援国の人々をかえって苦しめる危険がある。

 フリージャーナリスト常岡浩介さん(47)=長崎県出身=は「例えば住民に水を配るのは緊急人道支援だが、水道施設を修理するのは為政者がすべきインフラ整備。政権支援と受け取られても仕方ない」と指摘。その上で「同じシリアでも『イスラム国』(IS)支配地域なら電力インフラ整備はしないはずだ。表向きは人道支援でも、悪用されれば逆効果になる。アサド政権支配地域への人道支援は、軍事利用を防ぐためのチェックが欠かせない」と話した。

=2017/04/26付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社




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