中国のEXILE系不人気と許されるポルノの関係 – 日経ビジネスオンライン

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社会問題をゴシップで嗤う分断の闇

2017年4月27日(木)

北京・ロンドン五輪のバドミントン男子シングルスで2大会連続金メダルに輝いた林丹選手。卓球と並ぶ人気スポーツだけに国民的英雄の彼はヨネックスのキャラクターも務める。だが、不倫騒動が持ち上がると非難が集中、ヤセ型で浅黒い容貌を「出稼ぎ農民のようだ」とバカにするコメントが相次ぎ、農民に対する蔑視が浮き彫りになった(写真=市野 瑞穂)

 中国に林丹というバドミントン選手がいる。北京、ロンドンと2大会連続でオリンピック男子シングルスで金メダルを獲得した。バドミントンは卓球と並ぶ中国の国民的スポーツで、市民スポーツとしてもどちらも盛んだ。上海で私が最初に勤めた国営の雑誌社でも、昼休みは会議室のテーブルを使って卓球、そして月に1、2度、土日のどちらかに中学や高校の体育館を借りて同僚が集まりバドミントンに興じていた。そんな人気スポーツで林丹選手はオリンピックを連覇、うち1度は自国開催の金メダリストなのだから、まさに国民的英雄だったのである。

 「だった」というのは、その林丹選手に昨年11月、不倫が発覚したためである。林選手の妻はやはりバドミントン選手で北京オリンピック女子シングルスの銀メダリスト謝杏芳選手だが、2人の間に第一子が生まれてから2週間とたたない時点でゴシップメディアが林丹選手とモデルの不倫現場の写真を暴露。日本で言うところの「ゲス不倫」に、メディアや市民の非難が殺到した。

 ちなみに、「不倫」は中国語では以前、「婚外情」という言い方が一般的だったが、いつからか「出軌」、すなわちレールや軌道を踏み外すという表現が定着した。今回の林丹選手のケースを伝える見出しには、「孕期出軌」、すなわち妻が孕んでいた時期の不倫という言葉が並んだ。そして、そんな林丹選手には「渣男」という非難が浴びせられた。「渣」は日本語と同じ「しぼりかす」の意味で、文字通り「カス男」というわけである。「孕期出軌」をした「渣男」。改めて、中国語はあからさまで生々しい言葉だと思う。

 林丹選手に「カス男」という非難が集まるのは、言葉の激しさを脇にのければ、ある程度致し方のないことではあろう。ただ、この騒動で私が気になったのは、非難の書き込みに、林丹選手の行為とは直接つながらない中傷が、不倫騒動をきっかけに一気に噴出したことである。それは、林丹選手の容姿が、農村出身の出稼ぎ労働者、中国で言う「農民工」「民工」のようだ、というものだ。

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