(朝鮮日報日本語版) 【コラム】韓国経済の危機、最終防衛ラインを守りきれるか(朝鮮日報日本語版)

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 韓国経済は北朝鮮の核危機、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題をめぐる中国の報復、韓米自由貿易協定(FTA)の改定交渉といった大きな外部要因に巻き込まれている。国内的には公務員増員、最低賃金引き上げ、税負担増加、生活物価上昇などで混乱している。世界的な好景気のゴールデンタイムを生かせるかどうか心配される雰囲気だ。企業と金融機関の最高経営責任者(CEO)が会えば、「韓国経済はいったいどうなるのか」「政府に危機対応能力はあるのか」という質問が飛び出す。

 話の中でしばしば登場する比較対象が約20年前の金泳三(キム・ヨンサム)政権初期だ。産業化から民主化への移行期に「経済のねじ」が緩んだ状況は、「経済のパラダイム(規範となる考え方)を変える」として福祉国家に向け突進する現在と似ているからだ。
 金泳三元大統領は1993年、景気が低迷する状況で就任した。前任の盧泰愚(ノ・テウ)政権末期には経済成長率が2%台にまで低下した。1980年の第2次オイルショックでマイナス成長を記録して以降で最悪だった。問題の根底には「高コスト・低効率」という「韓国病」が存在していた。盧大統領時代に民主化の流れで賃金と物価が上昇し、企業は投資意欲を失い始めた。不動産投機がエスカレートした。結局コストが上昇し、生産性が低下した結果、企業は海外に脱出することになる。

 金大統領は就任当初から景気浮揚に取り組んだ。幸いにも円高が韓国の輸出企業には追い風となった。現在のようにサムスン電子が半導体特需に沸いた。おかげで就任2-3年目は景気が良かった。その結果、金大統領は韓国病には関心を示さなくなった。その代償は大きかった。韓国病に経済のリーダーシップ不在、ウォールストリートに対する無知が重なり、韓国経済は1997年のアジア通貨危機の嵐に巻き込まれていく。

 企業は連鎖倒産し、想像もできなかった銀行の破綻が現実になった。一家の大黒柱が失業し、露頭に迷った。破綻した韓国経済をどう再建するのか。最後の命綱が残っていた。健全な政府財政だ。金大統領は企業や金融機関の為替管理を誤り、通貨危機を招いたが、政府の台所はしっかりしていた。そのおかげで後を引き継いだ金大中(キム・デジュン)政権は国債発行を通じ、金融・為替システムを復旧することができた。

 通貨危機から20年を迎えた今年、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任した。文大統領は韓国経済のパラダイムを変えるため、新たな経済実験を行っている。しかし、経済専門家は文大統領の実験から韓国病の復活を思い浮かべているようだ。賃金と物価が上昇し、半導体特需は錯覚を生んでいる。大学教授出身者が実権を握り、官僚がしらけている状況も似ている。以前のような円高ももはや存在しない。

 ならば危機対応の最終防衛ラインは以前のように強固だろうか。文大統領は政府財政をしっかり守っていくと表明した。国内総生産(GDP)に占める政府債務の割合は今年の39.7%だが、5年後時点でも40.4%と0.7ポイントの上昇に抑えるとする計画だ。目標通りならば、債務の伸びは盧武鉉政権(11.1ポイント)とは比較にならないほど低い。債務削減に全力を挙げた李明博(イ・ミョンバク)政権(3.5ポイント)、朴槿恵(パク・クンヘ)政権(7.5ポイント)もはるかに下回る数字だ。

 どうすればそんな奇跡が可能なのか。5年間にわたりバラマキ財政をやめるとか、税収が増えれば可能だ。しかし、文在寅政権は経済成長率を上回る歳出の伸びを既に宣言した状態だ。そうすれば、韓国病が復活しても、企業の景気が上向き、税収も伸びるのだろうか。国民の恨みを買ってまで朴槿恵政権よりも厳しく税金を取り立てることができるのか。文大統領のバラ色の財政見通しには専門家が首をかしげる。

 20年前の通貨危機当時は、家計や企業が揺らいでも、政府が堅実だったおかげで韓国経済が再建できた。20年がたった現在、家計は借金漬けで、企業は活力を失いつつある。政府の懐も空っぽになれば、韓国経済はどうなるというのか。

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