「反腐敗」習氏1強後押し 「政敵排除」の武器に? 18日から党大会、公平性にくすぶる疑問(西日本新聞)

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 中国の習近平指導部は、18日に開幕する第19回共産党大会を経て2期目をスタートさせる。1期目の5年間で最も力を入れたのが反腐敗運動。「虎もハエもたたく」という方針の下、中央や地方の党幹部を次々と摘発し、国民から支持を得た。ただ、習党総書記(国家主席)の政敵を追い落とす権力闘争の色合いも濃く、公平性には疑問がくすぶる。

 9月に北京で始まった習指導部1期目の「成果展」。ひときわ目を引くのが反腐敗コーナーだ。汚職などで摘発された元高官6人を「腐敗分子」として顔写真入りで紹介している。

 6人中4人は、最高指導部メンバーだった周永康・元党政治局常務委員、軍制服組トップを務めた郭伯雄、徐才厚の両前中央軍事委副主席、薄熙来・元重慶市党委書記という江沢民元国家主席に近かった幹部。残る2人は胡錦濤前国家主席の側近だった令計画・元人民政治協商会議(政協)副主席と、「ポスト習」候補と目されながら、9月に党籍を剥奪された孫政才・前重慶市党委書記だ。

 孫氏を除く5人は「習氏が権力基盤を固める上で邪魔な存在だった」(外交筋)とされる。薄氏は習指導部発足前に失脚したが、独自の経済政策や治安対策は庶民に歓迎された。習氏の権威を全国に浸透させたい指導部は、今も残る薄人気の排除に躍起だ。一方、孫氏は江、胡両氏に近い幹部と関係が深かったとされる。孫氏の後任には習氏の腹心の陳敏爾氏が就任した。

反腐敗運動が政敵排除の“武器”に

 このほか軍では8月末、胡氏が引き上げた房峰輝・前統合参謀部参謀長が規律部門に拘束された。中国メディアによると、習指導部の発足から2016年までに規律違反などで処分された党員は約120万人。習氏の対抗勢力に関連する党員も少なくないとみられる。

 「腐敗」のうわさは習氏の周辺でも取り沙汰される。習氏の盟友で、反腐敗運動を指揮してきた王岐山・党中央規律検査委書記は親族による真偽不明の蓄財疑惑が指摘された。しかし、「習派」で実際に摘発された幹部は黄興国・前天津市党委書記代理兼市長ぐらい。反腐敗運動が政敵排除の“武器”になっているとの見方は党内外で根強い。

 習氏は「法治」を重要テーマに掲げるが、共産党一党独裁の中国では、議会も政府も司法も党の指導下にある。最高指導部が恣意(しい)的に反腐敗運動の追及対象を決めることも可能だ。習指導部は2期目も「中国式法治」に基づき、さらなる権力掌握を進める見通しだ。

西日本新聞社




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