北朝鮮ミサイル 降ってくるとき、どんな音がするのか? – The Liberty Web

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北朝鮮ミサイル 降ってくるとき、どんな音がするのか?

北朝鮮ミサイル 降ってくるとき、どんな音がするのか?

 

《本記事のポイント》

  • 日本のミサイル対策、「迎撃」「抑止」「国民保護」いずれも間に合わず
  • 今、議論すべき国防は「5~10年後を見据えたもの」
  • 自民党の国防公約は「現状確認」に過ぎない

 

北朝鮮の発射したミサイルが、日本の街に飛んで来る瞬間、どんな音がするのだろうか。

 

答えは「無音」である。エンジン音もなければ、空気摩擦による轟音もない。

 

なぜなら、北朝鮮が日本に向けるミサイルは、マッハ10、つまり音速の10倍近い速度で突っ込んで来るからだ。厳密に言えば、「音がしない」というより、「音が届くよりも速く飛来する」ということになる。轟音と爆発音は、着弾してから遅れて私たちの耳に届く。

 

ここで知らなければいけないことは、文字通り”一瞬”で地上に到達するミサイルを撃ち落とすことは、多くの日本人が思うほど簡単ではないということだ。

 

よく軍事関係者がその難しさを語る時に、「ピストルの弾丸を、ピストルで撃ち落すようなものだ」という表現を使う。しかし実際、ミサイルはライフルの弾よりも何倍も速い。

 

もしここで「イメージしていたよりも速い」と感じた読者は、安倍晋三首相が「(北ミサイル対策は)一分のスキもない万全な態勢」と街頭演説などでアピールしている言葉を、一度疑ってみてほしい。

 

日本は今、世界の軍事常識からみて「万全」なのだろうか。

 

北ミサイル対策の全体像は「迎撃」「抑止」「国民保護」の3つから成り、それら全てが揃って、初めて「万全」と言える。日本はそのどれもが、おぼつかない。

 

 

ミサイル対策(1) 迎撃力――間に合わず

まずは「迎撃」だ。

 

上に述べたように、迎撃ミサイルの的中が保証できない以上、ある程度の数を確保する必要がある。しかし海上自衛隊は現在、迎撃ミサイル(SM-3)を搭載したイージス艦を4隻しか持っていない。

 

イージス艦1隻が同時に迎撃できるミサイルは2基だとも言われていたが、北朝鮮は日本に届く中距離ミサイルを200発近く持っている。その多くを一度に発射されたら、在日米軍の援助があったとしても、対応し切れない。パトリオットミサイル(PAC-3)についても、日本の国土のほとんどを守れていないのが現実だ。

 

政府は、今になって迎撃ミサイルを搭載したイージス艦を4隻から、8隻に増やそうとしている。さらには、陸上からミサイルを迎撃する「イージスアショア」を2基配備しようとしている。

 

しかしそれらの配備には、2021~23年度まで待たなければならない。

 

急いで増強しているということは、政府に「現状が万全ではない」という自覚があるということに他ならない。そして、米朝衝突の可能性が最高潮に達している2017年に、それが間に合っていないということだ。

 

 

ミサイル対策(2) 抑止力――9条で持てず

「迎撃」という面でさえ不十分な日本だが、そもそも「迎撃」しかできない時点で、軍事常識的にはかなり危ない。

 

どんなに迎撃システムが充実していても、撃ち漏らしが出る可能性は消えない。核や生物・化学兵器の可能性も考えると、撃たれた時点で国民を大きなリスクにさらすことになり、安全保障上は”負け”だ。

 

そのためミサイル防衛の中心は本来、「まず撃たせないこと」、つまり、反撃能力による「抑止力」であるべきなのだ。迎撃はあくまで、「最後の手段」だと言われている。

 

しかし日本は憲法9条があるために、この「抑止力」を持てない。「9条の解釈内で反撃兵器を持てる」という説もあったが、公明党が反対した。現状、その全てがアメリカ任せになっている。

 

 

ミサイル対策(3) 国民保護――異常に少ない核シェルター

「抑止」も「迎撃」もおぼつかないなら、万が一の着弾に備えて、せめて避難体制くらいは他国より万全であるべきだろう。いわゆる「国民保護」だ。

 

しかし、日本の核シェルター普及率は0.02%。ソウルの300%、スイスの100%、アメリカの82%、イギリスの67%などに比べ、異常値だ。

 

避難訓練なども充分に行われておらず、「Jアラート」が鳴った際も、「どこに逃げたらいいか分からない」という声が相次いだ。

 

このように、日本のミサイル対策は「迎撃力」「抑止力」「国民保護」のどれをとっても、不十分である。今から対策しても何年もかかる。政府は「万全」を訴えるが、現在の危機に備えて、防衛体制を整えることに失敗したのだ。

 

今回の選挙では本来、その「不備」をこそ問う必要がある。

 

 

今、選挙で問うべきは「5~10年先を考えた国防」

「間に合わなかったことを、今さら選挙で問うても建設的ではない」という意見もあるかもしれない。

 

しかし、ここで「政府の見通しの甘さ」を反省しなければ、「今、選挙で考えるべき国防も、5年後、10年後の国際情勢を見越したものでなければならない」という視点が抜け落ちてしまうのだ。

 

北朝鮮は来年には、アメリカ本土に到達する核ミサイル(ICBM)を実戦配備させる。このICBMは、日本に落ちるミサイルの、2倍の速度で落下する。音速の20倍であるマッハ20以上だ。

 

そして、この速度で落ちるICBMの迎撃実験は、行われたことがない。アメリカとしても、撃ち落とすのははるかに難しくなる。

 

これがアメリカに向けられれば、アメリカはもう北朝鮮に手出しできない。そもそも、そんなリスクを犯すことを、米国民が許さない。

 

安倍首相は解散を表明した記者会見で、「北朝鮮が日本を攻撃すれば間違いなく米国の報復がある。これが強い抑止力になっているのです」と”万全”を訴えた。この言葉を来年からはもう言えない可能性が高いのだ(もちろん、抑止力の観点から口では言うだろうが)。

 

つまり、「抑止力を全てアメリカに委ねる」という前提で成り立つ「憲法9条」が、今終わろうとしている。それにも関わらず安倍政権はまさに今年、憲法9条改正の看板を降ろしてしまったのだ。

 

中国に対しては、アメリカはすでに手出しができない。

 

アメリカをあそこまで大騒ぎさせている核搭載のICBMを、中国は52基持っている。対中国という意味で、憲法9条はとっくに終わっている。

 

さらに中国はあと8年で、空母を1隻から6隻に増やす。一方で、4年後、アメリカ大統領はトランプ氏ではない可能性が高い。オバマ政権のような左派政権が誕生し、再び「アメリカは世界の警察官ではない」などと言っているかもしれない。

 

こうした5~10年先のことを考えると、今から、「自分の国は、自分で守る」体制を構築しなければならない。そのためには「憲法9条改正」「敵基地攻撃能力の保有」「そのための大幅な軍事予算の増額」が必要となり、法整備・予算作成にもう着手しなければ、もう間に合わなくなるのだ。

 

そして、これだけの大きな判断は、選挙で国民に問わずしてできるわけがない。安保法制レベルでさえ、自民党が選挙公約で強調しなかったために、あれだけの騒ぎになったのだ。

 

 

“現状の確認”に過ぎない自民の安保公約

自民党の「憲法に自衛隊の存在を明記する」「イージスを増強しています」「日米同盟は磐石です」という訴えは、現状の確認に過ぎない。

 

今回の選挙で「この国を、守り抜く。」というキャッチコピーで戦い、保守色を打ち出しているように見せているが、憲法案を見れば、むしろ確実に左傾化している。

 

日本の安全保障を憂う有権者は、自民党の国防政策を野党との”相対評価”で見るのではなく、「それで日本を守れるか」という”絶対評価”で見る必要がある。

 

“万全神話”を捨てなければならない。(馬場光太郎)

 

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