衆院選と安全保障 国民の命に責任もてるか – 産経ニュース

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 ■同盟「離間」の危機を自覚せよ

 国の存立と国民の生命を守り抜くことが、政治の最優先課題であることは言うまでもない。

 北朝鮮情勢の緊迫という戦後最大の難局に直面し、安倍晋三首相は「国難突破解散」と名付け、国民の信を問うた。

 ところが、外交上の「圧力」は口にしても、国や国民を守り抜く実効性のある手立てについて、どれだけ選挙で語られているか。

 国内では、現実にJアラート(全国瞬時警報システム)が何度も鳴っている。国民は危機を体感しているのに、論戦と実態の落差は大きすぎないか。

 ≪積極防衛へ転換がいる≫

 外交手段で北朝鮮に核兵器・弾道ミサイル戦力を放棄させる。まずそこに力を尽くすのは当然だ。それでも政治は、北朝鮮の暴発など有事に備えなければならない。外交解決の困難さを知りながら「次」を語らぬのは無責任だ。

 トランプ米大統領は、北朝鮮の核放棄に向けて、軍事的選択肢を排除していない。それは好戦的だからというよりも、米国民の安全に責任を持つからである。

 米韓両国は16日から日本海や黄海で、原子力空母ロナルド・レーガンを含む空母打撃群が参加する軍事演習を始めた。

 衆院選を行っている日本や共産党大会を控える中国、11月のトランプ大統領のアジア歴訪に対し、北朝鮮が挑発をしかけないように、強く牽制(けんせい)するものだ。

 仮に北朝鮮有事となった場合、日本もいや応なく当事国になると認識すべきだ。

 麻生太郎副総理兼財務相が9月下旬、武装した難民への対応を考えるべきだと語った。妥当な問題提起だが、「武装難民を射殺できるか」という直接的な物言いが失言とみなされ、必要な議論は深まらなかった。

 在韓邦人に加え、米国人など各国市民の救出、収容についても、日本は当事者意識をもって協力しなければなるまい。

 安全保障関連法に基づく自衛隊の米軍支援や、ミサイルからの国民保護、日本国内でのテロ・破壊工作への対処など課題は多い。

 北朝鮮有事の混乱に乗じて、中国が尖閣諸島を奪いにくる複合事態にも警戒を怠れない。

 野党陣営が、安保関連法を認めるか廃止するか、というラインで争点化を図るのはあきれる。安保関連法をいかに活用するか、それでも足りない点をどのように補うかが問われている。

 真に国民の安全を保つには「専守防衛」から「積極防衛」への転換が急務である。その第一歩として、敵基地攻撃能力の保有に踏み切ってもらいたい。現在のミサイル防衛強化のため、地上配備型「イージス・アショア」の導入を急ぐことも当然、必要だ。

 軍拡を続ける北朝鮮や中国の脅威に備えるには、防衛費の増額が欠かせない。これをどうとらえるか、各党は見解を示すべきだ。

 ≪戦後繁栄の基盤崩すな≫

 北朝鮮危機への対応を誤ればどうなるか。それは、直接的な軍事上の脅威の問題にとどまらない。戦後日本の平和と繁栄の基盤となってきた日米同盟を、機能不全にさせかねないのである。

 北朝鮮は来年早々にも、大陸間弾道ミサイル(ICBM)で米本土を核攻撃する能力を持つとみられている。このことを念頭に、安倍首相は党首討論会で、日米同盟の「デカップリング(離間)」に言及し、併せて北朝鮮の核武装を容認しない考えを強調した。

 北朝鮮が米本土をICBMで核攻撃できるようになれば、米政府は自国民を核攻撃のリスクにさらしてまで、日本を守るだろうかという疑念が生じる。

 日本は「核の傘」を含め、米軍による防衛を期待できなくなる、ということだ。同盟が機能不全に追い込まれる事態の深刻さと、それを防ぐ必要性について、国民に丁寧に説明してほしい。

 在日米軍基地があればこそ、米軍は西太平洋から中東まで展開できる。国際秩序を裏打ちする「公共財」である米軍のプレゼンスが失われれば、空白は国際法を軽んじる中露両国が埋めかねない。

 対米核攻撃力の放棄を条件に、米国が北朝鮮に小規模な核武装を認めたらどうなるか。脅威にさらされ続ける日本には、とても容認できないシナリオだ。

 すべての候補者は、目の前にある危機に何ができるか、何をすべきかを語ってもらいたい。






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