中国共産党大会 習氏は覇権主義を強めるのか – 読売新聞

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 軍事力を増強し、「強国」として世界に君臨する目標が掲げられた。法の支配などの普遍的な価値観を軽視し、「力」に依存する主張は、覇権主義ではないか。

 5年に1度の中国共産党大会が開幕し、習近平総書記(国家主席)が演説した。

 1期目の総括と今後の方針を示す政治報告で、建国100年の2049年をめどに、「近代化した社会主義強国」を実現すると明言した。「総合的な国力と国際的な影響力で、世界のトップレベルの国家になる」とも強調した。

 第2次大戦後、欧米諸国が主導してきた国際秩序に対抗する姿勢を明確に示したと言えよう。

 習氏はこれまでも、「中華民族の偉大な復興」をスローガンとしてきた。米国に匹敵する経済力や軍事力を目指しているのは間違いあるまい。

 看過できないのは、習氏が南シナ海の人工島造成や軍事拠点化を「成果」として挙げたことだ。

 昨年7月の仲裁裁判所判決は、南シナ海を巡る中国の主権の主張を全面否定している。「海洋強国」建設の名の下に、航行の自由の原則を脅かしている動きを肯定的に評価するのは容認できない。

 台湾についても、習氏は「いかなる形の分裂活動も打ち破る」と語り、強硬姿勢を見せつけた。

 台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」原則について、台湾の蔡英文政権は受け入れていない。習政権は今年1月、中国初の空母「遼寧」を台湾海峡周辺で航行させた。今後も軍事的な威圧を続けるのだろう。

 沖縄県・尖閣諸島の周辺海域では、習政権発足以来、中国公船の領海侵入が常態化している。日本は米国や東南アジア諸国などと連携し、地域の不安定化を招く行動の中止を求めねばならない。

 習氏は、今世紀半ばまでに、「世界一流の軍隊」を建設すると述べた。巨大経済圏構想「一帯一路」の一層の推進も掲げた。富国強兵路線の加速は、「中国の発展はいかなる国の脅威にもならない」という自らの言葉と矛盾する。

 1期目で「1強」体制を固めた習氏が、建国の父の毛沢東や、改革開放路線を導いたトウ小平に並ぶ威信を目指しているのは明白だ。2期10年の通常の任期後も権力の座にとどまるとの見方が強い。

 中国は、毛沢東への過度の権力集中が混乱を招いた歴史から、「集団指導」を原則としてきた。習政権下で専制政治や社会の抑圧が進むことが懸念される。






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