躓くテスラが賭ける中国進出、日本メーカーの切り札は? – WEDGE Infinity

Home » 中国 » 躓くテスラが賭ける中国進出、日本メーカーの切り札は? – WEDGE Infinity
中国 コメントはまだありません



World Energy Watch

2017年11月15日

»著者プロフィール

著者
閉じる

山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学経営学部教授

住友商事地球環境部長等を経て現職。経済産業省地球温暖化対策技術普及等推進事業審査委員会、東京商工会議所エネルギー・環境委員会委員などを務めている。近著に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム)。

[執筆記事]


 中国を筆頭に欧州も米国も電気自動車導入に舵を切っている。その背景には内燃機関から電池に可動部分を変えることにより、一挙にゲームのルールを変え、世界市場の勝者になる狙いがあるのは言うまでもない。今のゲームの勝者、日本のメーカーを狙ったルール変更にも思える。


 このルール変更を読んでいたのか、上手く対応したのがイーロン・マスク率いる電気自動車(EV)メーカー・テスラだった。現在販売されているテスラのモデルSとモデルXは、それぞれ最低でも8万ドルと9万ドル以上する高級車だが、昨年発表したモデル3は35000ドルからであり、40万台以上の予約を集めた。


テスラのイーロンマスク氏とモデル3(写真:picture alliance/アフロ)


 市場から大きな期待を集めたテスラ株式の時価総額は、今年前半にはフォードもGMも超え、テスラは米国最大の市場価値の自動車メーカーになった。市場の期待が大きかったのは、宇宙事業から太陽光発電事業、トンネル掘削、トランプ大統領への接近など、常に話題を作るCEOイーロン・マスクの手腕に負うところも大きいだろう。


 そのテスラがモデル3の生産で躓いていると米国では大きな話題になり、株価も2日間で10%も下落した。しかし、そんな時に話題を作るのがイーロン・マスクだ。中国上海でEVの生産を開始すると発表した。外国企業が中国で自動車生産を行う際には中国メーカーと合弁事業体を作る手法が用いられるが、中国企業へのノウハウの流出を恐れてか初めて外資であるテスラ100%出資の工場を建設することになった。


 中国工場では2019年から生産開始が想定されているようだが、やがて日本にも中国製テスラ車が輸入されるようになるかもしれない。しかし、工場建設に必要なテスラの資金調達に赤信号が灯ったとの警告もアナリストから発せられている。


市場の期待を裏切ったテスラの業績


 11月1日に発表されたテスラの2017年9月期、第3四半期決算は市場の期待を大きく裏切るものだった。モデルSとモデルXの生産台数は、前四半期比18%増加し25915台に達したが、7月9日にイーロン・マスクが生産開始をツイートしたモデル3の生産台数は僅か222台だったのだ。


 モデル3の生産の遅れは、バッテリーの生産工程の問題と説明されている。セルを接続しバッテリーモジュールを製造し、さらにモジュールを4個集めモデル3のバッテリーパックとして搭載しているが、自動化されているこの製造工程で問題が生じているとテスラは説明している。工程の調整は数週間で終了するとも説明され、今年末に到達する予定だった週5000台の生産目標は2018年第一四半期末に3カ月先送りされた。







コメントを残す