復刻連載「北のサラムたち1」第46回 揺らぎ始めた世界最強の“情報封鎖”国家(2) 北メディアが伝えた「反政府活動」(アジアプレス・ネットワーク)

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◆情報鎖国に風穴が開いた

◆情報鎖国に風穴が開いた
1999年5月5日、北朝鮮官営の朝鮮中央通信は、祖国平和統一委員会代弁人(報道官の意)の名で突然驚くべき声明を発表した。要約は以下のとおりだ。

「南朝鮮(韓国)傀儡どもは中国僑胞(きょうほう)を買収組織し、共和国を誹謗中傷する印刷物を我が方でバラ撒き、西海(黄海)の海上条件や警備哨所配置、軍艦機動状態をスパイしている。さらには我が尊厳高い体制をなんとか傷つけようと反動団体まで組織し、音声記憶電子計算機(?)がついた狙撃武器と拳銃などを持ったスパイを我が内部に浸透させようと狡猾に策動している。

さらに反動団体に金と武器を与えて武装悪党を手なずけ、我が内部に武装騒擾を起こし、卑劣なテロ陰謀まで強行しようとしている。…(中略)…これらは我が内部に『改革』『開放』の風を呼び起こそうという醜悪な企みから出発したものだ。挑発者たちは我々の無慈悲な報復を免れない」

この声明は、北朝鮮内部で「印刷物が撒かれ」「反動団体が組織」され「武装騒擾」が発生し、それは、中国朝鮮族を使った韓国政府の仕業だったとしている。だが、声明が出された時点で、韓国は北朝鮮との融和を目指す「太陽政策」を掲げ、後に金正日氏との会談を実現させる金大中政権になってすでに1年半近く経っており、韓国政府に操縦されたグループがこのような「企み」をする可能性はあり得ないと言っていい。

また、北朝鮮の人々の苦境をもっとも身近で知るとはいえ、中国朝鮮族が民族的義侠心から、このような命懸けの反北活動を組織するとは、現地取材経験から言って、到底あり得ないと考える。

この声明から推測できることは限られているが、北朝鮮内部で何らかの事件、反政府的行動が起きており、金正日政権としても看過できない水準になっているのではないか、ということである。

だが、それが北朝鮮人の行動だとは、「金正日将軍の下で一致団結している」という北朝鮮政府の立場からは、何があっても認めることができない。それで北朝鮮人ではなく、南朝鮮傀儡=韓国と中国朝鮮族の仕業に仕立てたのではないだろうか。本文:1,798文字
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