中国で日本の人気作品のリメークがブームに、中国版が酷評を浴びるワケは?―中国メディア

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ジョン・ウー(呉宇森)監督がメガホンを取った「追捕 MANHUNT」が11月24日に公開されてから8日間で、興行収入が約1億元(約17億円)に達した。ただ、情報コミュニティーサイト・豆瓣での評価は4.7ポイントにとどまっており、興行収入も口コミも普通だった。「追捕」は、今年公開された俳優ホアン・レイ(黄磊)の初監督作品「家族はつらいよ(中国名:麻煩家族)」やアレック・スー(蘇有朋)がメガホンを握った「容疑者Xの献身」と同じく、日本の人気作品のリメイク版で、この3作品は原作ファンのブーイングを受けているという点でも共通点がある。北京青年報が伝えた。

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■日本の作品を原作とする映画はほぼ全滅

近年、中国の映画・ドラマ市場では、日本の人気作品をリメイクするというのがブームになっている。人気俳優オウ・ハオ(欧豪)らが主演を務めた日本の小説家・片山恭一の「世界の中心で、愛をさけぶ」のリメイク版が2016年に、元韓流グループEXOのタオ(黄子韜)が出演した、推理作家・島田荘司の小説を映画化した中国版「夏、19歳の肖像」が今年、公開された。その他、今月22日には、チェン・カイコー(陳凱歌)監督がメガホンを握る、作家・夢枕獏氏の超人気歴史伝奇小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を映画化した「空海―KU-KAI―(中国名:妖猫伝)」が公開され、今月29日には、作家・東野圭吾の人気小説を映画化した中国版「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が公開される。報道によると、「秒速5センチメートル」、「ラブレター」、「源氏物語」など、日本の10作品以上の「中国版」も公開に向けて準備が着々と進められている。

すでに公開された日本の人気作品のリメイク版作品には、原作に忠実だった「家族はつらいよ」やリメイク版の「追捕」などがある。しかし、口コミを見ると、どれも酷評の嵐となっている。また、興行収入を見ると、「世界の中心で、愛をさけぶ」や「夏、19歳の肖像」などは約1000万元(1億7000万円)以下にとどまっている。

口コミも興行収入も伸びず、リメイク版を作ってはブーイングを浴び、業界関係者は、「日本の作品を原作とする映画を作るのは本当に難しい」と肩を落としている。

■日本の作品のリメイク版製作は諸刃の剣

実際には、日本、米国、または中国国内の作品であっても、人気小説などを映画化するのには、リスクとチャンスが共存している。リメイクは諸刃の剣で、メリットもあれば、デメリットもある。メリットは、原作がすでに名作でブランド化しており、リメイク版などを製作すると注目を受けやすく、オリジナル作品の制作と比べると宣伝コストを抑えることができる点だ。一方、デメリットは、原作が人気作品であるため、見る人はそれに対するイメージが強く、公平に判断するのが難しく、リメイク版に対する要求が高くなってしまう点だ。

また、中国のリメイク作品のほとんどが「投機的」に製作され、製作者は、名作に対する敬意の念が欠けている。初めから名作をもう一度作ろうという気持ちがなく、「金もうけ」のためだけの製作になっている。これまでに公開された日本の作品を原作とする映画はいずれも、そのような間違いを犯しているため、酷評を浴びても決して不思議ではない。

「家族はつらいよ」が人気にならなかったのも、製作者の姿勢と密接な関係がある。同作品には、「これはリメイクではなく、翻訳だ」と突っ込む声が寄せられた。その理由は、中国の文化を全く考慮せずに、原作映画をそのままコピーし、ショートメッセージを電話に、居酒屋を爆肚(牛や羊のセンマイ料理)の店に、鰻丼を北京ダックに変えただけだったからだ。

「家族はつらいよ」の失敗の理由が「完全コピー」であれば、「追捕」の失敗の理由は「完全リメイク」だろう。俳優・故高倉健に敬意を示して、「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)の原作小説を再び映画化した「追捕」は、主人公の杜丘と真由美の名前が残っている以外のほとんどの内容が変わってしまっている。杜丘の仕事は検察官から国際弁護士に変わり、杜丘が罠にかけられて逮捕されるというストーリーは、指名手配された殺人犯に変えられた。71歳のジョン・ウー監督が「追捕」を一生懸命製作したことには敬意を示すべきだが、全体的に見ると、高倉健に敬意を示す作品というよりは、「喋血双雄(The Killer)」や「男たちの挽歌(原題:英雄本色)」などの人気作品を製作したウー監督自身の輝かしい経歴に「花を添える」ための作品となっている。

■日本作品のリメイクの難しさ、セリフを一言一句変えるのにも確認必要

実際には、日本の人気作品のリメイク版を作る際に最も難しいのが、原作の中心的価値をいかに中国という土壌に持ち込み、中国人が共感を覚えることができるようにするかという点だ。中国と日本の文化は似ているものの、実際にはその内在的要素は大きく異なるため、肌や髪の色が同じだからといって、リメイク版の製作が容易になるわけでは決してない。

そのほか、日本側は著作権の管理を徹底して行っており、そのレベルは中国の映画業界の想定外である場合もある。ウー監督の「追捕」の場合、「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク版製作権を断固として譲ってもらえず、中国の製作チームはその原作となった小説の映画化の権利を購入するしかなかった。中国版「容疑者Xの献身」の脚本を手掛けた黄海も、「日本は出版物に対する管理がとても厳格で、さまざまな権利を譲ることに非常に慎重な姿勢を示す。私が知っている限り、『容疑者Xの献身身』のリメイク版を製作する際、カギとなるストーリー、セリフの一言一句を変える場合でも、東野圭吾本人の書面でのサインが必要だった」と明かしている。

東野圭吾も、日本と韓国で使ったストーリーは使用禁止、ストーリーなどを大きく変えるのは禁止など、中国版製作にさまざまな条件を付けた。中国版ドラマ「深夜食堂」の関連の責任者も、「日本の著作権所有者が著作権をあまりにも重視していた。その注文の多さは想像を超えており、ローカライズの大きな妨げとなった」と振り返っている。

ただ、日本の作品のリメイク版製作の道を完全否定する必要はなく、公開を控えている「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の興行収入と口コミがどうなるかは、ふたを開けるまで分からない。そして、中国市場には「金のなる木」があり、日中文化交流も深化しているため、難しさを理由に日本の作品のリメイク版製作をやめることはないと言い切れるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)






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