米国株、最高値更新の陰に潜むリスク…ウォール街が警戒する2つの「C」とは? – ZUU online

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米国株、最高値更新の陰に潜むリスク…ウォール街が警戒する2つの「C」とは?

2018年の米株式市場は、楽観的なムードの中で堅調にスタートした。とはいえ、「(相場は)楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」との言葉もある。実際のところ、現状の堅調地合がいつまで続くのかは誰にも分からない。多くの投資家がやがて「厳しい冬」が訪れることを経験的に理解している。問題はその「厳しい冬」が、いつ、どのように訪れるかだ。

ウォール街の市場関係者からは、2018年の「リスク要因」として年前半は中国(China)、年後半は中央銀行(Central Banks)と2つの「C」を注目する声が多く聞かれる。今回はこの2つの「C」について考察してみよう。

2018年のリスク、中国景気の急減速を警戒

2017年の中国経済は7年ぶりに成長が加速する見通しであるが、2018年は減速に転じる可能性が高く、先行きへの警戒が強まっている。ロイターの調査によると、2018年の中国の成長率は6.4%まで落ち込む見通しだ。これは昨年11月にOECD(経済協力開発機構)が公表した「世界経済見通し」の6.6%を下回る水準である。

一方、米調査会社のCBB(チャイナ・ベージュブック・インターナショナル)も最新の調査リポートで、2018年の中国経済が大幅に減速する恐れがあると指摘している。同リポートは「中国版ベージュブック」とも呼ばれており、中国企業3300社を対象に調査を実施している。リポートでは10月に党大会を終え、経済成長を支える動機が乏しくなったと指摘している。また、賃金と雇用、製造業受注の伸びが鈍化しているほか、在庫の急増や物価の弱含みを懸念材料として挙げている。

具体的には、特に小売業が最も大きな打撃を受けており、売上高の低迷、雇用の鈍化、キャッシュフローの悪化に直面していることを懸念。また、10~12月期の企業借入が前期から減少し、銀行による「シャドーバンキング」も減少している。加えて、自動車もこれまでの高水準な伸びが鈍化しており、衣料品やぜいたく品で在庫が急速に積み上がっていることを警戒している。

中国の「ハードランディング・シナリオ」

中国では政府主導で債務リスクの軽減に取り組んでおり、2017年に活況を呈した道路や橋、地下鉄建設は2018年に大きく減速する見通しだ。

ブルームバーグの調査によると、中国の2018年のインフラ向け固定資産投資は12%増と昨年1~10月累計の約20%増から鈍化する見通し。中国では珍しく一部の都市の地下鉄プロジェクトが止められたほか、プロジェクトの資金調達で幅広く使われてきた手法、PPP(官民パートナーシップ)に対する審査も厳しくなっているという。

モルガン・スタンレーのエコノミストは「中国はレバレッジ縮小や過剰生産能力の削減、汚染対策、不動産価格抑制の取り組みを強化している」と指摘。「このため、不動産やインフラ投資は鈍化し、中国経済は減速すると考えている」と述べている。

「中国のハードランディング・シナリオ」は毎年のように指摘されるが、これまでのところ実現したことはない。とはいえ、米中貿易戦争の動きもきな臭くなっており引き続き警戒するに越したことはないだろう。

年末までに「G3のバランスシート縮小」か?

ところで、FRB(米連邦準備制度理事会)は既にバランスシートの縮小を開始しているが、ECB(欧州中央銀行)や日銀が量的緩和を継続中であることから、G3(米欧日)のバランスシートはまだ拡大中である。ただし、2018中にもG3のバランスシートが縮小する可能性があり、そのタイミングで市場に波乱が起きるのではないかと警戒されている。

昨年9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、FRBはバランスシートの縮小を決定し、翌10月から100億ドルずつ減額している。減額幅は3カ月ごとに100億ドルずつ拡大する予定であり、たとえば今年1月からは200億ドルとなり、10月以降は500億ドルで据え置かれる見通しだ。

12月のFOMC後に公表された経済見通しでは、2018年のGDP成長率が前回(9月)の2.1%から2.5%へと引き上げられた。同じく失業率も4.1%から3.9%へと引き下げられている。成長が加速するシナリオであることから、バランスシートの縮小も予定通り進行することになりそうだ。

ECB、日銀はどう動く?

ECBは昨年10月の理事会で資産購入プログラムの規模縮小を決定。昨年12月までの月600億ユーロから1月以降は300億ユーロへ減額する。12月の理事会後に公表された最新のECBスタッフによる経済見通しでは、2018年のGDP成長率は2.3%と前回9月の1.8%から大きく引き上げられており、予想通りとなった場合には、資産購入プログラムの延長は見送られる公算大となりそうだ。

日銀は12月20・21日に開かれた金融政策決定会合で現行の金融政策の枠組みを維持。「長短金利操作付き量的・質的緩和」政策を据え置き、長期国債の買い入れ額は年間80兆円を目処としている。ただし、昨年9月に金融調節を「量」から「質」へと事実上の変更をしており、足元での国債購入ペースは年60兆円を下回っている。また、12月現在のバランスシートの拡大は前年同月比で50兆円以下となっており、この1年は緩やかに減少している。

黒田総裁は11月13日の講演で行き過ぎた低金利が金融仲介機能を阻害し緩和効果をそぐ「リバーサル・レート」に言及し、「リスクにも注意していきたい」と発言した。この発言が政策の見直しの布石として関心を集めたことから、12月会合後の記者会見では、わざわざ「リバーサル・レート」は「金利操作見直しとの意味ではない」と念を押している。とはいえ、日銀がマイナス金利の弊害を認識し、「出口論」を念頭に置いていることは周知の事実といえるだろう。

こうした状況を踏まえると、2018年10月のG3のバランスシートはFRBが月500億ドルの減額、ECBが変わらず、日銀が年50兆円以下のペースで拡大となり、ネットでは若干のマイナスとなることが予想される。G3の金融政策は今後の景気次第ではあるものの、年末までには「G3のバランスシート縮小」が始まることを想定し、その影響を注意深く見守る必要がありそうだ。(NY在住ジャーナリスト スーザン・グリーン)






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