「苦肉の策」慰安婦合意、日本の拠出金を凍結 韓国が10億円用意 政府に不満の声も(西日本新聞)

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 韓国政府は9日、従軍慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意に関し、日本が拠出した10億円(約95億ウォン)を凍結し、同額を韓国が代わりに拠出する新たな方針を発表した。日本との再交渉や破棄に踏み込まなかったのは、わずか2年前の合意に一方的に「ノー」を突き付ければ韓国が国際的な信頼を失いかねないことを考慮した「苦肉の策」とみられる。合意の枠組みを残したまま、元慰安婦への具体的な支援は当面棚上げされる見通しだ。

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 「被害当事者の女性の意思を反映していない合意では、慰安婦問題の本当の解決はできない」。9日午後に記者会見した康京和(カンギョンファ)外相は日韓合意を改めてこう批判した。ただ、合意の再交渉は求めず、日本に対して「国際普遍的な原則によって(歴史の)真実をありのままに認め、(慰安婦)被害者の名誉、尊厳を回復し、心の傷の治癒に向けた努力を継続するよう期待する」と述べた。

 新方針は当初、文在寅(ムンジェイン)大統領が10日の年頭会見で発表する予定だった。昨年5月の大統領選で再交渉を訴えた文氏は昨年末、合意に「重大な欠陥があった」と明言。破棄や再交渉を求める元慰安婦の一部や支援団体の期待が高まったが、合意の履行を求める日本政府の強い働き掛けでトーンダウン。文氏の政治的な負担を配慮し、前日に外務省が公表することにした。

元慰安婦への支援、韓国の責任で取り組む姿勢をアピール

 日本拠出の10億円分を韓国政府が代わりに拠出することについては、元慰安婦への支援を韓国の責任で取り組む姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。同時に、元慰安婦の支援を担う「和解・癒やし財団」関係者は「一度受け取ったものを返還することが、いかに難しいかも国民に示した」と指摘する。

 韓国政府の新方針に対し、元慰安婦らは9日、「合意が間違いと認めながら、やり直さないのは被害者を欺く行為だ」と不満を表明した。慰安婦問題に詳しい鄭在貞(チョンジェジョン)ソウル市立大名誉教授は「再交渉もせずに、期待できない日本の追加対応を待つだけでは、単なる棚上げ。何も変わらない」と疑問を呈する。そうした声を予想していたかのように、康氏は5分足らずで政府方針を読み上げ、記者からの質問も受けずに会見場を立ち去った。

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