[寄稿]結婚という名の市場? – The Hankyoreh japan (風刺記事) (プレスリリース)

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「民族」も調べてみれば敵対的な矛盾関係にある地主と小作農などで構成されていたように、「自由」恋愛も社会経済的拘束からはまったく自由でなかった。すでにマルクス主義者が指摘したように、言葉が「自由恋愛」でも実際には有産・有識層が“類は友を呼んで”仲間同士でつきあうのが一般的だった。

国際的売買婚だけだろうか?内国人同士の結婚も「自由恋愛」の理想とはほとんど関係のない経済的取引で成り立つことが日常茶飯事だ。韓国には2500以上の結婚情報企業が現在盛業中で、韓国ほど結婚業者を通じて多くの結婚が成り立つ社会も珍しい。

イラストレーション:キム・デジュン//ハンギョレ新聞社

 「近代」について話す時、私たちは「想像」という単語をよく使う。大衆的に昔からあったかのようにいわれてきた多くの近代的概念や制度は、実際に近代人の集団的想像の産物という意味からだ。最もありふれた事例を挙げれば「想像の共同体」と命名される「民族」という近代的概念だ。はるか古代からあった集団的所属と考えがちだが、朝鮮時代に官吏と奴婢がお互いを同じ民族に属する同等な構成員と本当に感じただろうか?事実、朝鮮人によって「民族」というネーション(nation)の日本式訳語が最初に使われたのも1898年、すなわちわずか120年前のことだ。「民族」のみならず、「家族」や「社会」も同じだ。

 「民族」、「社会」とともに、近代の到来を象徴したもう一つの新造語は、「恋愛」ないし「自由恋愛」であった。両親や門中が子供の婚約を決めた伝統社会の上流層の慣習と異なり、若い男女が配偶者を自ら探して、いくらかの交際期間を経て自由に結婚できるという想像は魅力的であり、今風にいえば“クール”だ。自ら配偶者を選択できる独立した個人が、結局のところ独立国家、強い民族を後押しするという多少民族主義的、自強論的想像もそこに宿っていた。問題はまさにそれだった。朝鮮人ならば誰も皆が含まれていそうな「民族」も調べてみれば敵対的な矛盾関係にある地主と小作農などで構成されていたように、「自由」恋愛も社会経済的拘束からはまったく自由でなかった。すでに1920年代のマルクス主義者がきちんと指摘したように、言葉が「自由恋愛」でも実際には有産・有識層が“類は友を呼んで”仲間同士でつきあうのが一般的だった。「自由恋愛」は階級から絶対に自由でなかった。

 朝鮮だけか?どの社会でも結婚や同棲は社会経済的条件に大きく左右される。例えばアメリカで、結婚率が過去半世紀の間にほとんど2倍近く下がった理由の一つは、平均男性所得に比べ女性の所得が大幅に上昇し、今では約93%程度にまでなったためだ。男性に対する女性の経済的依存が相対的に弱まったことにより「必ず結婚しなければならない」という社会的通念も変わったのだ。同じようにアメリカの下層で結婚ではなく事実婚の方がありふれている理由も、中産層の平均結婚年齢が20代後半に遅くなったことも経済的問題と直結している。男が失職したり監獄に行く場合、結婚ではない同棲を清算し、別のパートナーを探すことの方が女たちにはさらに容易な選択であり、20代後半や30代初めになれば中産層がすでに教育課程を履修して最初の職場を得た後なので、職場と所得が確実なパートナーを選択することが、この歳になれば容易になるということだ。甘い「自由恋愛」の底辺に、各種の非常に現実的な考慮が敷かれているということは、資本主義社会としては避けられない事情なのだ。

 「結婚市場」のような用語は、社会学者が社会分析の次元でよく使う。資本主義社会で労働力が商品化されるように、男女の結婚がしばしば内包する経済的扶養と家事労働の交換も、厳格に言えば「取引」関係に属するためだ。しかし、社会科学的に眺めた現実はそうであっても、元来多くの社会で多くの結婚ないし同棲関係の当事者は、少なくとも主観的には「愛」のような個人的感情を共同生活の前提条件として見ようとする。商品取引中心の無情な世界では、それでも家族だけでもちょっと違えばという希望があるが、それは本当にきわめて個人的な内密な感情のない場合には人生の各種の難関を一緒に通過するのが難しいためだ。

 成人男女が私的な空間を一緒に使い共に過ごすことは、実は―お互いに対する特別な感情がない限り―かなり難しいことだ。経済的に女性に独立性が不足して、社会が「離婚した女」を激しく差別した昔には、互いに一緒にいることが嫌になっても、無理してでも一緒に暮らしたが、女性の学歴と職業能力が男性に遜色ない今日では、ロシアのように比較的保守的な社会でも平均婚姻持続期間は約10年に過ぎない。韓国の平均婚姻持続期間は14年だが、それは私教育を含む子供たちの教育に対する負担がさらに大きいためだ。二人の成人の共同生活が容易でないということは、ロシアでも韓国でも同じだ。ところが、強い愛を感じない限りは“地獄の門”になりかねない結婚に至る過程は、ますます「自由恋愛」より「自由購買」をさらに彷彿させる。

 「(キルギスタンの女性たちは)中央アジアの女性のうちで最も多くモンゴリアンの血が混ざっている。そのために顔付きが韓国女性と同じ人も多い。60%は完全モンゴリアンで、20%は白人とモンゴリアンの混血だ。10%は完全ロシア白人で、10%はイスラムとモンゴリアンの混血だ。学歴水準は高い方で、英語は皆が中程度の水準であり、2世の容貌や教育のために国際結婚を迷う方ならば推薦するに値する。社会規範は男性支配的社会であり、相互依存的大家族制度で家族や友人に対する責任感が強く、年長者や聖職者に対する尊敬心が強い。(…)国民性は保守的かつ受動的で、野望が少なく、満足しやすく静かで平和な性格で、調和のとれた関係を重視して、いつも良い話し方で可能な限り対立を回避する」

 上の文は、19世紀初期のアメリカ南部の奴隷市場の奴隷売買広告文を連想させるが、21世紀の大韓民国で生産され流通したものだ。ある国際結婚仲介業者のサイトで、キルギスタンの女性の“特徴”を顧客である韓国人男性に説明(ないし広告)した下りだ。こういう類のテキストを見れば、保守的な男性の欲望を如実に読みだすことができるようだ。すなわち、白人が格好良いから若干の白人の血が混じっているのは良いけれど、生まれてくる子供の容貌のために頭が痛いこともあり、ひとまず主にモンゴリアン血統に属するのがよく、学歴と英語駆使力が高いほど良いものの、賢いだけでなく夫や姑、目上の人を礼儀正しく迎えてこそ婦徳としては最高という話であろう。

 すさまじい家父長主義の悪臭を嗅いだ感じだが、ここでこの家父長主義を後押しするのは、結婚を「購買」と見なす極めて資本主義的な思考だ。富国韓国の男性は、カネと韓国旅券を得る可能性を提示して、貧困国キルギスタンの女性の性と出産能力、そして家事労働に「親切」のような感情労働までも買う。「結婚市場」は、もはや社会学的な抽象概念ではなく、文字どおり売買婚が当然の事と見なされる国際的市場になるわけだ。ところで、果たしてこうした広告文が暗示する男女関係とは、商品として扱われる女性に家庭生活の幸福どころか最小限の人権でも保障できるだろうか?

 国際的売買婚だけだろうか?内国人同士の結婚も「自由恋愛」の理想とはほとんど関係のない経済的取引で成り立つことが日常茶飯事だ。韓国には2500以上の結婚情報企業が現在盛業中であり、韓国ほど結婚業者を通じて多くの結婚が成り立つ社会も珍しい。業者がカップル・マッチングをする時、財力と(両親の財力が後押しする)学歴、そして(両親と自身の財力と学歴が与えられた)職場などは男性の主要な“チャームポイント”として作用する。結局、結婚は男の(広義の)社会経済的資本と女性の容貌・象徴資本間の交換行為程度になるだろう。

朴露子(パク・ノジャ、Vladimir Tikhonov) ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学//ハンギョレ新聞社

 この交換行為自体も決して安くない。住宅資金を含めれば平均結婚費用は2億ウォン(約2千万円)を超える。果たして徹頭徹尾“カネ”を中心に成り立つ結合は、幸福と言えるだろうか?韓国の幸福指数が世界的に下位圏(143カ国中118位)に属する理由の一つは、まさに内密な私生活まで“カネ”に蚕食されている今のような状況のためではないか?家庭がカネではなく、お互いに対する愛情と配慮で自由に成り立つ社会でこそ、人が生きるべき世の中だろう。「自由恋愛」は近代的幻想だとしても、“カネ”を超越して“愛”に根拠を置き「共に生きる」社会になる時、はじめて韓国社会は“ヘル朝鮮”を抜け出すことができるのではないだろうか。

朴露子(パク・ノジャ、Vladimir Tikhonov) ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )




http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/830085.html韓国語原文入力:2018-01-30 18:12数丁:2018-01-30 18:59
訳J.S



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