南アフリカで聴く虹色の歌声 新進気鋭のタウンシップ・カエリチャ<ひと握りのアフリカ-8>(アジアプレス・ネットワーク)

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断崖が続く喜望峰、味も景観もすばらしいワイナリー、手軽に楽しめるサファリツアーなど、南アフリカ共和国(以下南ア)の観光資源は枚挙にいとまがないが、南アの魅力は自然美だけではない。様々に異なる人々が共に暮らす姿もまた、この国を特徴付ける大切な魅力のひとつだ。南アの多様さを確かめたく、2つのコンサートを訪ねた。(岩崎有一)

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ケープタウン郊外のカエリチャは、1985年に形作られて以来ぐんぐんと拡大し、東京都江東区ほどの面積にまで成長したタウンシップだ。活気みなぎるカエリチャには、地域によって異なる様相が見られる。私は、カエリチャ内では富裕層の多い西側から、貧困層が多いとされる東側へと宿を移した。

カエリチャ東部では、西部とは家並みがはっきりと異なる。西部では外壁がコンクリートで作られたしっかりとした家屋が多いが、東部ではトタン板や木片、廃材で作られた家が目立つ。傾いたり潰れかかった家屋や、隙間を塞ぐためにビニールシートで覆っている家屋も多い。現地の人々がSHACK(小屋)と呼ぶ、この簡素な家屋が立ち並ぶ様子は、南アのタウンシップ特有の典型的な風景だ。

東部で私が過ごした宿は、Lungi’s B&Bという名の小さなゲストハウスだった。このゲストハウスの外観も、トタン屋根をいただいた、周囲の家屋と比べてもなんら違和感のない造りとなっている。

しかし、ドアを開けて中に入ったところで、タウンシップに抱いていた私の先入観は呆気なく覆された。

天井から自然光を取り入れた中心部の居間は明るく、広い。ソファには、まだ洗濯石鹸の香りが残るカバーがされたクッションが置かれている。床は、落としたパンを拾って食べることも厭わせられないほどに綺麗だ。居室には、ノリの効いたシーツと枕カバーを伴ったベッドがあり、バスルームのタイルは目地に至るまで磨き上げられている。バスタオルと洗顔タオルが別々に用意され、タオルにはオレンジ色の糸で「Lungi’s」と刺繍が施されていた。ゲストハウス内を一巡しただけで、快適に過ごせることが瞬時に伝わってくる。

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