中国官製メディアが“佛系”会社「無印良品」を評価した理由 佛系(仏系)とは? – ZUU online

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人民日報系メディアの環球網が「“佛系公司”無印良品の新零售(小売り)改革」という記事を載せた。環球は人民日報系とはいえ、海外事情を率直に紹介することもあるメディアである。とはいえ日本関連記事で、こうした好意的なタイトルは珍しい。何か隠された意図でもあるのだろうか。詳しく分析してみよう。

佛系会社「無印良品」

無印良品(良品計画 )は会社創立40年、今では全世界に800店舗を展開、中国では200店舗を展開している。その理念は、しっかり時間の試練に耐えてきた。彼らのデザインは、転がるりんごを追いかけるように、模倣され続けた。同社は2000年に業績が下降し、経営危機に陥った。このときは大ナタをふるって全面改革を施し、V字回復を成し遂げた。シンプルからハイクオリティ・ベーシックへ舵を切ったのである。

それ以外には、逆説的だが、変わらないことによって変転する事態に対処してきた会社といえる。“佛系”会社と称される所以である。

佛(仏)系とは、最近若者層でよく使われる言葉である。解説では、論ぜず、争わず、勝ち負けを求めない心の状態、などとなっている。これまでの中国人の在り方とは真逆である。若い人たちを中心に、中国が変わる予兆ともとれる。具体的には「佛系恋愛」「佛系男生」などと使う。プラトニックラブ、草食男子といったところだろう。「佛系従業員」という例もあった。止水明鏡の心で、喜ばず、悲しまず、笑うこともないが、勤怠と品質は確かだという。

つまり佛系会社とは、あざといところのない、自然体のしっかりしたイメージだろう。その佛系会社が大改革に乗り出す。これは事件です、というわけである。

環境の激変

無印良品にとって、中国は海外最大の市場である。しかし中国市場は日本とは違い、群雄割拠の激戦だ。小売業自体が、天地をひっくり返すほどの変化を遂げている。さらに模倣品が後を絶たない。

オフラインでは「名創優品」である。日本発の余暇関連商品で新しい消費満足感を、などと謳っているが実態ははっきりしない。しかし出店意欲は非常に高い。オンラインでは小米(シャオミ)旗下の「米家有品」網易旗下の「網易産選」京東旗下の「京東京造」などが、無印良品と似たようなコンセプトの商品を販売している。網易産選は、当初、無印良品と同じ工場で生産していると宣伝していた。腹背に敵を抱えているのだ。

もう一つ無印良品が中国で直面している問題は、当初まとっていた商品の“文芸的”色彩が後退していることだ。消費観念の変化、選択肢の多様化により、ブランドに対する忠誠心が減少している。もと通りに回復させるのは困難だ。

全面改革ー値下げと「MUJIホテル」

こうした背景から“佛系”会社・無印良品は、全面改革に乗り出した。1月中旬、無印良品は、第八次の全面価格改定を行った。最大で25%の値下げである。昨年9月以来4カ月ぶりだ。

この2017年9月の第七次値下げは効果が上がった。第2四半期(6~8月)前年比▲1.8%にまで減速した売上が、第3四半期(9~11月)には▲7.1%に回復したのだ。生活雑貨など価格調整した商品が大きくのびた。中国店舗の定価は、日本の1.5倍~2倍の感覚がある。生活関連雑貨の値下げは、イメージを崩さず、新規顧客にアピールできた。

このとき、「MUJIホテル」1号店とレストランを伴う“三合一”の世界旗艦店を、深センにオープンさせた。これは銀座の「MUJIホテル」オープン予定より1年も早い。直営ホテルは、事業多元化の象徴であるとともに、ブランドイメージを発信する新しい広告塔となる。

全面改革ーO2O融合

また無印良品は、2016年末に、支付宝(アリババのモバイル決済プラットフォーム)の会員システムと連携した。今後は速やかに、O2O融合の新零售システムを整えていく。そして2017年、無印良品は、最も支付宝会員を増やした会社となった。会員はすでに数百万に達している。セールなどの活動期間中は、会員による売上が80%を超える。通常期でも50%である。

支付宝との提携については、アリババ董事局主席・馬雲の言葉がすべてを物語る。「10年以内に純粋なネット通販、純粋な実体店舗、どちらも不可能となる。新零售時代に向け、ともに思考しなければならない。新零售は、掛け声ではなく、本質であるからだ。」

中国に合わせた改革

中国の小売業界では、無印良品は、ブランド力、評価、品質、いずれも依然優勢であると見られている。それでも改革は必要不可欠で、実際に手を付けた。

環球網の記事は、とくに裏読みする必要はなさそうである。無印良品を題材として、中国全土に小売業改革を促しているのだ。

このような形で官製メディア取り上げられるとは、大したものである。好ましい先進的小売業と認識されていることを証明している。

上海旧市街、淮海路に位置する旗艦店は、廃材を大量に使用するなど、迫力ある売場演出をしていた。おしゃれな軽食カフェ付きだ。日本の店舗以上に本気度をうかがわせる。

無印良品は、中国進出小売企業の模範であろう。“佛系”イメージも大いに結構ではないだろうか。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)






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