(朝鮮日報日本語版) 韓国政府が資金提供を中止した米シンクタンク、来月閉鎖(朝鮮日報日本語版)

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 ワシントンに拠点を置く米国唯一の韓半島(朝鮮半島)専門シンクタンクとして知られるジョンズ・ホプキンス大学国際大学院(SAIS)韓米研究所(USKI)が9日、5月中に閉鎖されることが分かった。USKIは韓国政府が2006年から10年以上にわたり総額200億ウォン(約20億円)の資金援助を行ってきたワシントンの外交拠点だが、韓国で今の政権が発足したことを受け、韓国国内の「コード(政治的理念や傾向)問題」に巻き込まれ姿を消すことになった。

 USKIのガルーチ理事長は9日(現地時間)、AP通信とのインタビューで「あまりにも不適切」として韓国政府による学問研究への介入を批判した上で「5月までに研究所を閉鎖する」と明らかにした。保守的な考えを持つことで知られるク・ジェフェ所長らに対する韓国政府からの解任要求をUSKIが拒否したため、最終的に閉鎖の方向に傾いたようだ。ガルーチ氏は「彼ら(韓国政府)は人事について何かを要求する権限は一切ない」と指摘した上で、SAISのナサル院長がUSKIの成果を高く評価していた事実も伝えた。

 ガルーチ氏は「今は(南北と米朝)首脳会談を目前に控えた重要な時期だ」とも述べ、研究所の閉鎖について韓国政府に対し「あなた方(韓国政府)自らの足元に火を付けるこれ以上の手段があるだろうか」とも批判した。北朝鮮の非核化に向けた厳しい交渉を目前に控えた今の重要な時期に、韓国政府が研究所を閉鎖することで自らの足元に火を付ける結果をもたらしているとの指摘だ。また韓国政府が主張する会計報告書の不透明性やク所長の在任期間が長すぎるとの点については「韓国政府に証拠を求めたが、いかなる回答も得られなかった」と明らかにした。AP通信は韓国メディアの報道を引用し「ブラックリスト」をめぐる疑惑にも言及している。

 USKIの初代事務総長を務めた中央大学国際大学院のチュ・ヨンシク教授は本紙との電話インタビューで「昨年から韓国政府はSAISの会計処理を問題視し始め、内部監査を求めてきた。SAISは韓国政府の要請に従って監査を行ったが、何の問題もなかった」と明らかにした。その上でチュ教授は「韓国政府による会計問題の指摘は大学の名誉を失墜させたと受け止められている」とも主張した。

 SAISのナサル院長はガルーチ理事長とク所長を呼び、5月11日をもってUSKIを閉鎖することを通告したという。SAISの人事部はこの日、USKIの全職員に研究所の閉鎖を伝え、再就職のあっせんなど大学の支援策についての説明会も行った。先日韓国政府から資金援助中止の文書を受け、SAISが急きょ研究所の閉鎖を決めた理由は、米国の労働法に職員の解雇は1カ月前から通告することが義務づけられているためだという。USKIのある職員も「できるだけ早く次の求職活動を始めるよう指示された」と明らかにした。

 ただしUSKIの北朝鮮専門メディア「38ノース」はマッカーサー財団などから総額200万ドル(約2億円)の支援を受け、独立した研究所として残されることになった。38ノースは今後、共同設立者であるUSKIのジョエル・ウィット研究員が独立運営の責任を持つという。38ノースは北朝鮮の核施設などに対する衛星写真分析などを通じ、北朝鮮による核実験の兆候を事前に探知するなど、多くのノウハウが蓄積されている。

 USKIは当初、9日に韓国政府による資金援助中止の理由に反論する会見を開く予定だったが、直前にこれを取り消した。SAISがすでに閉鎖を決めたこともあり、会見を開いても何も変わらないと判断したようだ。

 チュ・ヨンシク教授は「今後、韓国に関する研究が韓国政府による官製学問となる恐れがある。それはこれまで数十年にわたり積み上げられたノウハウが全て水の泡になるということだ」と指摘した。韓国政府はUSKIを閉鎖する一方で、SAISに韓国学の教授を就任させる方向で検討しているという。

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