安倍首相が日米首脳会談へ、通商問題が火種に-北朝鮮で結束狙う – ブルームバーグ

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安倍晋三首相は17日から訪米し、フロリダ州にあるトランプ米大統領の別荘で2日間に渡って首脳会談を行う。日本側は核・ミサイルに加え、拉致を含めた北朝鮮問題への対応について結束を確認したい考えだが、米国による鉄鋼・アルミニウム輸入関税など日米で利害が対立する通商関係の議論の行方に懸念を示す声が専門家から上がっている。

安倍晋三首相

  日米首脳会談は昨年1月のトランプ政権発足後、6回目。安倍首相は17日、北朝鮮の核・ミサイル廃棄を実現するため「最大限の圧力を維持していくことを確認してきたい」と記者団に語った。2日間の滞在中にトランプ氏と「じっくり膝を交えて話をしたい」とも述べた。

  経済に関しては「自由で公正な貿易投資を通じて、インド太平洋地域の経済成長を日米でリードしていくとの共通認識」に立って意見交換する考えを示した。

  菅義偉官房長官は同日の記者会見で、両首脳は会談に加えて夕食会やゴルフをプレーする予定を明らかにし、「信頼関係を一層強固なものとする機会にしたい」と話した。

  今回の訪米は、米朝首脳会談の開催合意が発表された3月に行った電話首脳会談で安倍首相が提案した。北朝鮮への対応では拉致問題を含めた日本の立場を米側に伝える狙いがあるが、トランプ大統領はツイッターで、貿易赤字に関して安倍首相を名指しで批判するなど通商問題への関心を高めている。

  丸紅経済研究所の今村卓所長は、就任1年目に日米が蜜月関係を築けたのはトランプ政権が通商政策より税制改革などに重点を置いてきたためだと分析。2年目に入り、鉄鋼・アルミニウム関税の導入など大統領が前面に出て「通商政策に比重をかけ始めたことへの対応が必要」と指摘する。

トランプ米大統領

  その上で、今回の会談では、日本も対象になっている鉄鋼・アルミニウム関税やトランプ大統領が復帰検討を指示した環太平洋連携協定(TPP)を協議するほか、通貨安誘導を禁じる為替条項を含めた日米自由貿易協定(FTA)交渉を求められる可能性もあるとの懸念を示した。

拉致問題

  森友・加計問題への対応を巡り、支持率低下に直面する安倍内閣にとって、北朝鮮による拉致問題への対応も課題となる。首相は3月30日に被害者家族らと面会した際、「何よりも大切な拉致問題が置いていかれることになっては決してならない」と米朝首脳会談で議題とするよう直接トランプ大統領に要請する考えを強調した。

  先週末にNNNが行った世論調査で内閣支持率は26.7%と第2次安倍内閣発足以来、初めて2割台に落ち込んだ。拉致問題が進展すれば支持率再浮上につながる可能性もあり、コロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーチス氏は、北朝鮮問題に焦点を当てて時間を稼ぎ、国民が不祥事に飽きてくれることを政権側が期待しているとの見方を示した。

  拉致被害者の家族は10日、ハガティ駐日米大使と面会し、問題解決への協力を要請した。家族会の飯塚繁雄代表は会談後、一義的には日本政府が取り組むべきだが、今の状況では「米国に直接訴えて何とかしてくれというのも手段の一つ」と強調。横田早紀江さんは「何かが動いていくのではないかと、ちょっと希望を持っている」と期待感を示した。
  
  元外交官で立命館大学の宮家邦彦客員教授は、トランプ大統領が昨年の来日時に拉致被害者と面会していることからリップサービス以上の対応が期待できるとし、米朝首脳会談で問題が議題に上るとの見方を示す。ただ、米側の呼び掛けに「北朝鮮の反応はないと思う」とも述べ、問題解決には至らないとみている。

  またトランプ大統領は、国内政治環境が悪化する中で今秋の中間選挙に向けて「選挙モード」に戻りつつあり、「成果を出さないといけないと焦りもある」と指摘。安倍首相も内閣支持率が下落していることから、日米両国の首脳が国内状況で「互いに尻に火が付いている」中での会談だとも語った。






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